CTを利用した精密検査とは
CTとは「コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)」の頭文字を取った略称です。
従来のX線撮影とは異なり、鮮明な高解像度の3D映像で患部を視認できるため、立体かつ実寸に基づく診断ができます。また、骨質の診断などへの応用も可能です。当医院では、CTを使った精密検査による診断で、患者さまの症状の原因を把握し、治療内容などを決定します。
CTで分かること
- 歯周病
- 顎関節
- 歯牙疾患
- 歯根状態
- インプラントetc..
精密な画像による診断ができるため、様々な症状や状態の確認ができます。また、患者さまにもご自身の状態を分かりやすくご説明することが可能です。
CTはどうして必要?
CTを使うことで、目視や従来のX線では見ることができなかった部位の患部でも、鮮明な立体映像で把握できます。また、患部周囲の状態も合わせて確認できますので、より正確な治療に役立ちます。
また、歯科で使うCTの放射線量は医科向けのCTと比較すると100/1程度と低く、X線と比べてもとても低いことが特徴です。放射線量が低いほど、患者さまへの負担も少なくなります。
CT画像の臨床ケース
臨床ケース 1
2008/10/17
左上6に違和感を訴えて来院。歯茎にフィステル(水ぶくれ?のようなものです。画像内の赤線部分)ができていて、そこに器具(画像内の青線部分)を挿入してデンタルレントゲンを撮影しました。根管治療が必要な状態ですが、セラミッククラウン(過去に治療したものですが、値段が高い)が入っているため、ご本人の希望により、クラウンを外さずに外から薬剤と炭酸ガスレーザーで洗浄して、経過を観ることにしました。あくまでも対症療法ですが、臨床では良くあることです。
2010/03/15
再び、左上の違和感を訴えて来院。左上6の近心根が破切していましたので、抜歯に至りました。今後は、骨の治癒の状態を観て、その後の治療を決めます。ご本人はインプラントを希望しています。
2010/08/24
CTで骨の状態を確認。画像の線を引いている部分が10.7mmあり、シンプルなインプラント治療ができることを確認しました。CTによる計測は、95%くらいの精度があります。
臨床ケース 2
2010/08/19
右下の6・7部に違和感を訴えて来院。フィステルができていますが、パノラマレントゲンでは何だかよく分かりません。
2010/09/03
そこで、CTを撮影しました。右下の6・7とも大きな根尖病巣があります。まず、7から根管治療をすることにしましたが、近心が破切していました(上の右側画像をご参考ください)。右下の7は抜歯予定ですが、現時点では今後の補綴治療(どうやって補うか)は未定です。
臨床ケース 3
2009/06/20
歯の清掃で来院。右上2からの出血がありました。目で見た限り、歯は綺麗です。何だろうということで、デンタルレントゲンを撮影しました。正解は内部吸収(歯の中から歯に穴が空いてくることです。虫歯とは違います)でした。根管治療を試みましたが、吸収が大きいのできちんとした治療はできないことが分かりました。ご本人と相談した結果、抜歯をしてインプラントを行うことにしました。
2010/06/19
インプラント埋入。※この時点ではCTを導入しておりませんでしたので、レントゲン画像です。
2010/09/23
二次オペの際にCTで確認。
2010/11/13
クラウン装着。セラミッククラウンを強い仮着にしました。完全に接着させることもできますが、今後のメンテナンスがあるため、仮着がベストです。