小児歯科

小児歯科

小児歯科イメージ

小児歯科は我々歯科医だけでなく、お子さまがいらっしゃる親御さんにとっても大変重要な歯科です。お子さまの口というのは、元々無菌状態にありますが、親御さんを始めとする大人と接するうちに、細菌類に感染していきます。たとえば、親御さんが自分が使用している箸でお子さまに食事を与える、小皿に料理を取り分けるといった日常的にあり得る行動でも、それが元で大人の口に含まれる細菌類がおこさまの口の中に移ります。万一、親御さんなどの大人の方が歯周病といったの歯の病気をお持ちだった場合、それがお子さまに移る可能性もあり得るのです。

直箸で食べ物を取り分けたり、それで食べさせるというのは礼儀作法の面でも間違っていることですが、多くの親御さんが意識することなく行っていることでもあります。当医院では、このような行動がお子さまの口の衛生状態を悪化させることを認識して頂きたいと考え、来院される親子連れの患者さまに啓蒙活動を行っております。小児歯科とは予防から始まります

小児歯科における予防

小児歯科における基本的な予防方法は、こまめな検診とフッ素塗布です。一般的に、2~2歳半頃までに口腔内の細菌バランスが決まると言われています。極端な表現になりますが、8割が善玉菌で2割が悪玉菌のお子さまと、8割が悪玉菌で2割が善玉菌のお子さまでは、その結果に大きな違いがあることは明白です。

2~2歳半までの段階で決まると言われる、口腔内の細菌バランスとはこのようなことなのです。つまり、生後2年近くになるお子さまをお持ちの親御さんは、早い段階で歯科医院を訪れ、まずは歯科医院にお子さんが慣れることと、口の中を触られることに慣れることなどから始めることが重要です(治療を嫌がらず、また泣かずに診療を受けられるように)。この時期がお子さまの歯の将来を決めるといっても過言ではありません。

小児歯科医療では、積極的な予防対策がとても重要です

また、お子さまの口の中に生えてきた永久歯は、我々大人の永久歯とは堅さが全く違います。専門的には「石灰化度が低い」と表現しますが、早い話が永久歯と言えど柔らかいということです。このような状態で、もし虫歯になったらどうなってしまうでしょうか。あっという間に歯の内部にまで虫歯菌が浸食し、歯の神経にダメージを与えてしまい、いずれ高い可能性で抜歯処置となることは、これまでに蓄積された膨大な診療データからも分かっています。

そのような大事にならないよう、シーラント処置などの予防対策を行ってお子さまの歯を虫歯から守ることが重要です。シーラント処置とは、基本的に歯は削らずに深い溝の部分を機械的に清掃し、フッ素をじわじわと出してくれるプラスティックで溝を埋める方法です。痛みはなく、高い治療効果があります。

歯は4~5年程度をかけて充分な強度まで石灰化していきますので、お子さまの歯が充分な強度になるまでの間、親御さんと我々歯科医がダックを組んで、お子さまの歯を保護してゆきましょう。

歯並びについて

歯並びイメージ

お子さまの歯並びを気にされる親御さんから、良く原因がよく分からないと相談を受けることがあります。歯並びというのは、親御さんからの遺伝的要素の影響もありますが、お子さまのちょっとした行動や仕草の影響を受けることも多いです。お子さまを良く見て頂いていると、歯並びに影響を及ぼす行動が分かることも珍しくありません。

たとえば、お子さまに

  • 手に頬を当てながら寝る
  • 前歯で舌を噛む
  • 指しゃぶりを続ける
  • 唇を噛む
  • 頬杖をつく

といった行動が見られる場合は、歯科医に相談することを含め、早めの対応が必要不可欠です。そのままにしておきますと、顎や歯の位置のずれが生じ、将来的に良くありません。

虫歯

どんなに努力していても、虫歯になってしまうことがあります。これは、歯と歯の間といった清掃しにくい部位では起こり得ることです。虫歯が見つかった場合は、まずは早期治療です。もちろん、歯への浸食が少なければ少ないほど治療も早く終わります。

少しでも気になることがあれば、歯科医院を受診して下さい。たとえ勘違いだったとしても、それは問題ではありません。お子さまの歯を守るためなのですから。